iDeCoに加入すべきか?判断基準を紹介!
みなさんはiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用していますでしょうか。
iDeCoは節税しながら老後のための資産形成ができる国の制度です。加入者は年々増加しており、23年7月時点で約302.6万人に到達しております。
ただし、
iDeCoは途中解約できないことや資産ロックされることがネックでまだ。。。
と考える人も多いかと思います。
そこで、本記事では、iDeCoを加入すべきかの判断基準を紹介しています。本記事を読むことでiDeCoを加入すべきかのポイントがわかります。
結論から言いますと、
下記の4項目の合算ポイントが3点以上であれば加入すべきと考えます。
たとえば、2 NISAで1800万円以上投資する予定がある_2ポイント、3 目標とする資産が高い(3000万以上)_1点の2項目を満たすのであれば、合算で3点以上となり、iDeCoに加入すべきという判断できるという流れです。
iDeCoとは
まずはiDeCoについて簡単に説明します。iDeCoとは国が運営する老後のための資産形成ができる非課税制度の一つです。
iDeCoを利用して投資することで、①~③のメリットがあります。
いずれも税制面において、優遇されているということです。
ただ、デメリットとしては
という2つがあります。
1の手数料については、税制メリットを考えると十分に元がとれるので問題ではありません。
ただ、2については、いざというときに、iDeCoに入れた資金は当てにできないということなので、資産に余裕がない人は利用すべきではない、ということになりますね。
iDeCoの判断基準
基本的に、資金に余裕があるのであれば老後の資産形成はiDeCoを利用した方が良いでしょう。理由は税制メリットを享受し、資産の最大化が見込めるからですね。
冒頭で説明したように、
下記の4項目の合算ポイントが3点以上であれば加入すべきと考えます。
以下で各項目について詳しく見ていきましょう。
1 ライフサイクルでかかる大きな出費に対し準備ができており、かつ、毎月のキャッシュフローに余裕がある
ライフサイクルでかかる費用としては、学費、住宅購入の頭金、車費用、、、です。
これらの出費を直近3年以内で支払うのにまだ準備できていない人はiDeCoを始めるべきではないと考えます。iDeCoに資金を投入したら60歳まで引き出せないですから、
来年に住宅を購入したいのに頭金がまだ十分貯まっていない。。
というような状況でiDeCoに手を出すのは賢い選択とは言えません。
さらに、毎月のキャッシュフローに余裕があることも重要です。毎月赤字家計であるのにiDeCoに手を出してしまうと、いずれ破綻につながりかねないからですね。
以上を踏まえると、①ライフサイクルでかかる大きな出費の準備ができている、②毎月のキャッシュフローに余裕がある、のであればiDeCoに加入してもよいと私は考えます。
なお、学費については、大学までのトータルだと多額な資金が必要となるため、若いうちからすべて準備できている人は少ないです。よって、現時点で準備ができていなくとも、学費用に定額積み立てできていて、必要なタイミングで資金がたまるように計画できているのであればiDeCo加入を検討してもよいでしょう。
(参考)学費の目安
私立大学(4年間の総額) 文系 約410万円
理系 約550万円
2 NISAで投資しており、将来的に1800万円以上投資する予定がある
iDeCo加入を考えている人の多くはすでにNISAを始めています。NISAは資産拘束がされないので、始めるハードルが低いからですね。最初にNISAから始めるのはよい選択です。
ただ、NISAとiDeCoと併用することで将来投資できる非課税枠をさらに拡大させることが可能です。さらに、iDeCoは早くから始めれば利用可能な枠が拡大するメリットも享受可能です。
iDeCoスタート時期の違いによる投資可能額の差
iDeCoの積み立て額2万とし、60歳で受け取るケース
20歳スタート
投資可能額 : 2万円 × 480か月(40年) = 960万円
40歳スタート
投資可能額 : 2万円 × 240か月(20年) = 480万円
※NISAはいつ始めても上限1800万円
以上のことから、あらかじめNISAの1800万円をためられる見込みがあるのであれば、今からでもiDeCoにも少し資金を回してみることをお勧めします。これによって、将来的にもらえる非課税枠を最大化することが可能となります。
3 目標とする資産が高い人(3000万以上)
高い目標、例えば資産3000万円以上を目指している人は、手段としてiDeCoを活用しましょう。要はそれなりに高い目標を掲げており、目標を第一優先とするのであれば、使える手段はすべて利用しよう、という話です。
ここでは、iDeCoへの積み立てを捻出するために、多少やりくりが必要になるケースがあろうかと思いますが、何かを犠牲にしなければ達成できない目標もあります、高い資産を達成するのが第一優先とするのであれば受け入れましょうということが言いたいことです。
4 勤めている会社の退職金が少ない
60歳満期になり、iDeCoの資産を受け取るときに、注意したいのが税金がかかるケースがあるということです。
以下に税金がかかるケースを見ていきます。なお、現税金制度上、iDeCoの受取方法は一時金受け取り(一括)が最も節税メリットが大きいので、ここでは一時金受け取りに限定した話をしております。
ここで大事なところは、退職金とiDeCoの合算した金額に応じて税金がかかるということです。
つまり、退職金控除が多い大企業にお勤めの場合は、上記の合算値が必然的に大きくなり、課税される可能性が非常に高いということです。逆に、退職金が少ない企業であれば多少iDeCoで資産が増えたところで課税される可能性は低いとも言えます。
ここからは私の見解ですが、
あくまで退職金が少ないのは考慮すべきポイントの一つですが、それほど気にする必要はないと考えます。というのも、受け取り時に課税されたとしても積み立て時の所得控除、運用時の非課税運用のメリットがあり、十分カバーできると考えるからです。
かくいう私も退職金は一般的な額より大きくなりそうで、課税される可能性は非常に高いですが、iDeCoに加入して満額積み立てています。
iDeCoの資産拘束のとらえ方
最後にiDeCoにおける最大のネガとしては、資産拘束があります。それについて言及しておきます。
多くの人がこの資産ロックに抵抗感をいただいています。
ただ、全資産のうち拘束されている資産の割合を計算してみてください。その割合が低いのであれば、資産ロックはそれほど気にするに値しません。目安としては全資産のうちの10%が拘束されたとて、問題ないと考えます。
例えば、資産1000万円あったとして、10%の100万円が資産拘束されていたとします。確かに100万円でみると、大変大きな金額が拘束されるという印象になります。ただ、残りの資産は900万円と十分あるのであれば、何か不測の事態に陥ってもiDeCo資産の力を借りずとも何とかなると思いませんか。
さらに、もともと貯金で眠らせている資金がいくらあるかも確認してみてください。その資金を結局は出し入れせず放置している状態であれば、iDeCoで資産拘束されている状態と何ら変わりません。
以上まとめると、資産ロックに抵抗感を抱いている人は一度、自身の資産状況とiDeCoに投入する予定の金額を計算してみてください。思いのほか、過度な抵抗感を抱いていたことの気づかれるかもしれません。
まとめ
今回はiDeCoに関する我が家の考え方を紹介しました。最終的には自己判断でiDeCo加入有無を決めていただけばと思いますが、取っ掛かりとして本記事を参考にしていただけると幸いです。
以上、ご閲覧ありがとうございました。