サラリーマンはETFより投資信託がおすすめ
前回の投稿では、サラリーマンは米国S&P500に定額を毎月積み立てすることをお勧めしました。今回は加えてS&P500に投資する際、ETFか投資信託のどちらで投資した方がよいかを投稿します。
近年、投資信託の価格競争によって、ETFと投資信託のコスト差が少なくなってきました。それでいて、投資信託は何も手を加えずとも自動で定額積立・分配金の再投資が行われるため、時間のないサラリーマンにとっては投資信託がおすすめです。
投資信託がおすすめな理由
投資信託は株式や債券などの詰め合わせパックのようなもので、例えばeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の場合、米国トップ500社の株をパッケージ化したものです。それ一本であらゆる金融商品を丸ごと買えるようなものです。
一方で、ETFも投資信託と同じように詰め合わせパックですが、違いは金融商品取引所に上場しているかです。ETFは上場している投資信託であり、金融商品取引所の取引時間であればいつでも取引可能です(投資信託は1日一回)。以下はサラリーマンが投資する上で投資信託がよい理由です。
投資信託は少額から積立投資可能
例えば投資信託であるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を購入する場合、100円からでも積立が可能です。対して米国ETFであるバンガードS&P 500 ETF(VOO)は購入単価が高く、最低でも5万円以上必要になります。
基本的に、同じ指数に連動するファンドでも投資信託はETFと違って少額から投資が可能です。また、ETFは購入単価が高いことから、よっぽどの資金力がない限り定額積立は難しいということになります。
以上より、それぞれの状況に応じて少額から積立投資できる投資信託の方が利便性がよいのは間違いありません。つまり多くの人にお勧めできるのは投資信託ということになります。
投資信託は自動的に分配金が再投資される
将来、資産をより拡大させるためには分配金をすべて再投資することがベストな選択です。それによって、福利効果を最大限に享受でき、資産拡大スピードが格段に速くなります。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の場合はファンド内で分配金が再投資されるため、投資したら後はなにも手を加える必要はありません。
対して、ETFであるVOOの場合、年4回分配金が支給されます。分配金は気持ち的にはうれしい反面、多くのETFは分配金の再投資を投資家自身で行わなければなりません。さらに、外国税控除の申請やドル転なども間違いなく手間はかかります。
本業で忙しいサラリーマンは手間なく投資できるのが、投資先を選ぶ一つのポイントになるかと思いますので、その点だと手間がかからない投資信託の方がETFより優れているといえます。
投資信託もコストはETFと同等レベル
以下、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、ETFであるバンガードS&P 500 ETF(VOO)の手数料、コスト比較です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | VOO | |
買付・売却手数料 | 0 | 0 |
為替手数料(購入・売却時のみ) | 0 | 1ドル=25銭(=0.25円) |
経費率(年間) | 信託報酬:0.09372 | 0.03 |
上記のように、ETFは運用資産にかかる経費率(コスト)が投資信託より安く、ETFの魅力の一つです。ただ、投資信託も近年、コストの引き下げが行われており、大きな差異はなくなってきています。この経費率の差異を大きいか小さいかのどちらに受け取るかは人それぞれですが、以下のように1000万円投資したときのeMAXIS Slim 米国株式とVOOを経費差を計算したところ、年間6000円程度しか変わらない結果となり、リターンによる資産拡大の方が格段に大きくなることが想定されるので、個人的に大きな差異ではないと考えます。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
10,000,000×0.0009372=9,372 [円]
VOO
10,000,000×0.0003=3,000 [円]
差額
9,372-3,000=6,372 [円]
結論、投資信託はETFと同等レベルのコストになったため、投資環境としては非常に恵まれており、投資信託を選択しても問題ないといえます。
まとめ
普段、本業で忙しいサラリーマン投資家はできるだけ投資に時間を割かずに、それなりのリターンを享受したいと思う人が多いものと思います。その二つを両立するのは難しいように見えて、手法は既に確立しているように思います。それは、米国S&P500の投資信託に毎月定額積立することです。
その上で、自動化という観点でいうと、間違いなくETFより投資信託の方が優れています。さらに、コスト・リターンもそこまで変わらない、かつ少額積立が可能と考えるとサラリーマンにとっては投資信託一択になるのではないでしょうか。
以上、ご閲覧ありがとうございました。